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ボリショイとフィーリン [バレエ]

まずは、フィーリンが襲撃されたニュースでびっくり。その後、容疑者としてドミトリチェンコが拘束されたニュースでさらにビックリでした。

若くしてボリショイ・バレエ団の芸術監督に就任したフィーリンは、革新的な手法が批判されていたということもあったようです。いやがらせなども受けていたみたいですよね。
私は伝統と革新は並び立ち得るものだと思います。というより、伝統を守りながら革新的なものをプラスしていかないといけないと思うのですよね。
そんな話で済むものではないのかもしれないけど、ボリショイは昔からよくもめているイメージがあります。

フィーリンは2月4日に退院しましたよね。
体調は良くなっているけど、視力が回復しない状況が続いているそうです。
今はドイツで視力回復に向けたリハビリを行っているとのこと。
とりあえず、この段階まで来られたのはよかったですよね。
ニュース記事には痛々しい写真も載っていますが、良くなってほしいです。
回復を祈っております。


----------------以下、産経WESTより
顔に酸をかけられたボリショイ・バレエ貴公子…内部対立、世界最高峰バレエ団の「暗い、暗い闇」
2013.2.24 18:00
 世界最高峰のバレエ、ロシアのボリショイ・バレエ団。芸術監督としてそのトップに君臨するセルゲイ・フィーリン氏(42)が先月17日、何者かに顔面に強酸液を掛けられて失明寸前となった。現役時代、美しい容姿と足先まで神経の行き届いたステップでファンを魅了し「王子様役がぴったり」と称されたフィーリン氏を襲った突然の悲劇。背景には配役などをめぐる対立や恨みがあるともみられている。夢舞台の裏側に潜む確執とは何だったのか。

■事件前から相次ぐいやがらせ

 フィーリン氏は先月17日深夜、モスクワの自宅脇の駐車場で覆面姿の男に襲撃され、強酸液をかけられ顔面の4分の1をやけどするけがを負って入院した。一時は失明も懸念されたが、医師らからは一定程度の視力は維持できそうだとの見通しも出ている。現在はモスクワの病院を退院、ドイツで視力回復に向けた治療やリハビリを行っているという。

 地元紙によると、今年になってフィーリン氏は車を壊されたり、自身のウェブサイトを荒らされたりして恐怖を感じてきた。事件の背景にはバレエ団内の対立など、同氏の職務が関係するとみられている。

■周囲が反発した革新

 2011年に40歳の若さで世界最高峰、最大規模のバレエ団の芸術監督に就任したフィーリン氏。一部では革新的な手法に批判が集まっていたという指摘もある。

 ロシアにバレエ留学の経験のある日本人バレエダンサーは、その革新的な手法の象徴は11年にリニューアルしたボリショイ劇場のこけら落とし公演と説明する。

 同年11月に行われた公演「眠れる森の美女」でトップを踊ったのは、アメリカのバレエ団「ABT」から移籍したダンサーだった。

 「ロシアには伝統のバレエメソッドがあり、その教育を受けたダンサーがしのぎを削ってトップを目指す。その中でアメリカのダンサーがトップを踊ること自体が異例。ロシアの伝統を守るバレエ団内に不満がたまったのでは」という。

■美しい“足先”

 フィーリン氏も2008年までボリショイ内でトップとして活躍、甘い顔立ちと長い手足という容姿に恵まれ、さらに踊ったときの足先の美しさクリアなステップなど高い技術で人気を集めた。日本のバレエ雑誌で足先の写真を集めて特集を組まれたこともあったほどだ。

 ダンサーとして最後の来日公演は同年11、12月。このとき演じた「明るい小川」の役柄は途中で女装してバレリーナ姿になって踊るシーンがある。びわ湖ホール(滋賀県大津市)公演の舞台間近でフィーリンを見たファンの一人は「ロマンチックなチュチュを着てトゥ・シューズを履いて、それはそれは美しかった」と振り返る。中でも「特に足の甲が美しかった」と、うっとり。「トゥ・シューズに支えられた足先が弓なりになったとき、足の甲がなだらかで美しい弧を描いた。それが空中に舞ったときも崩れないのがすごい」と魅力を語る。

 舞踊評論家の桜井多佳子さんも「彼のバレエの良さは基本に忠実で、足先のきれいさにある。その魅力は特にきれいな王子様の役などで際だった。王子様役を高い技術で雰囲気を持って演じることのできるダンサーだった」と評価する。

■ペレストロイカに翻弄された名門バレエ団

 ソ連時代、ボリショイは首都、モスクワのバレエ団として国家と密接な結びつきを持ち、海外では文化使節団としての役割も担ってきた。芸術監督の権力も絶大で、ロシアバレエに詳しい別の関係者は「ソ連時代は実力者が何十年間もトップに君臨して団内の統率をとってきた」と話す。しかし、「ペレストロイカ以降、団内でも自由化が進み監督が頻繁に代わっている。団の統率がなかなかとりにくい時代になっている」と指摘する。同時にペレストロイカ以降、ダンサーの海外流出も相次いだ。その中で海外でも活躍し、人脈も豊富なフィーリン氏の手腕が期待されていた矢先の事件だった。

 日本での招聘(しょうへい)元、ジャパン・アーツの関係者は「革新的と評されることの多いフィーリン氏ですが、演出では伝統にも敬意を払い、新時代にロシアバレエの伝統を生かす方法を模索してきた。復帰してまた世界に誇れるボリショイ・バレエを見せてほしい」と話す。

 事件後、フィーリン氏は地元紙のインタビューに「これまで通りボリショイ・バレエ団のマネジメントを続ける」と意欲を明らかにした。さらに「前のようなハンサムマンには戻れないかもしれないが、強くなって戻ることは保証する」と話し、もうただの美しい王子様ではなく、力強さを備えたトップになって復帰することを誓っている。
(安田奈緒美)

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(左)フィーリン氏のダンサーとして最後の来日公演となった平成20年のボリショイ・バレエ日本公演「明るい小川」の1シーン=(C)瀬戸秀美(右)何者かに強酸性の液体をかけられ顔面に重いやけどを負い、病院で療養するボリショイ・バレエ団のセルゲイ・フィーリン芸術監督=今月18日、ロシア・モスクワ(ロイター)

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