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東京バレエ団「ジゼル」(2)'08 9/12 [バレエ]

東京バレエ団の「ジゼル」2日目は斎藤友佳理&マニュエル・ルグリ

ジゼル: 斎藤友佳理
アルブレヒト:マニュエル・ルグリ
ヒラリオン: 木村和夫
バチルド姫: 井脇幸江
公爵: 後藤晴雄
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ベザントの踊り(パ・ド・ユイット): 西村真由美-横内国弘、乾友子‐宮本祐宜、阪井麻美-梅澤紘貴、河合眞里-小笠原亮
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 高木綾
ドゥ・ウィリ: 奈良春夏-田中結子

ゆうぽうとホールの1階の18列目ってかなり後ろなんですね。でもS席。
ルグリのアルブレヒトは、登場シーンからマラーホフとは全く違います。衣装も何もかも。もちろん、振付けはほぼ一緒なんですけど本当に違うんです。

マラーホフのときはヒラリオンが最初に登場しますが、ルグリは最初っからアルブレヒトが登場してウィルフリードと一緒にジゼルの家の向かいの小屋に入っている間にヒラリオンが登場して去って行きます。
マラーホフ・アルブレヒトはジゼルに会おうとするのをウィルフリードにかなり強く止められて、最後に“去れ”と命令してやっとウィルフリードがしぶしぶ去って行った感じですが、ルグリ・アルブレヒトは最初から割と強めに“去れ”と命令しています。マラーホフ・アルブレヒトはウィルフリードと何やらたくさん話をしていました。

この日の斎藤ジゼルは、昨年フォーゲルと踊ったときとは違って演技もオーバー過ぎず良かったです。あのときのジゼルは完全にいっちゃった人になっていましたから。マラーホフの降板でみんなが“がんばらなきゃ”と思って力が入っていたのかもしれません。
前日にヒラリオンとミルタだった2人がこの日は公爵とバチルド。なんだか面白いです。

川島麻実子さんのバチルドは、容赦なく気位も高く顔つきも意地悪そうなわかりやすい少女漫画の敵役みたいな感じでしたが、井脇幸江さんのバチルドは貴族の家に生まれ育った普通のやさしい女の子という感じも持ち合わせているんですよね。

castphoto03.jpg

2幕は斎藤友佳理の本領発揮。
ヘンな言い方かもしれないけど、彼女は人間じゃない役が得意ですよね。不思議な浮遊感みたいなものがあるので、ウィリ(精霊)やシルフィード(空気の精)がピッタリきます。流れるような動きが素晴らしいんです。ジゼルは2幕が真骨頂だと思います。1幕が上手な人はけっこういるかもしれませんが、2幕となるとなかなか…。
彼女のジゼルやラ・シルフィードを観ると、いつも「アラベスク」のアーシャを思い出してしまいます。“足音がしない!”(笑)

ヒラリオンの木村和夫さんも好きなのですが、なかでも死ぬまで踊らされているときにウィリたちが大きな輪になってまわるのと逆にまわりながらジャンプしたときの手のポーズが気に入っています(マニアック・・・)。

ルグリ・アルブレヒトが踊らされるソロでは倒れ込んだあと客席から拍手が鳴り止みませんでした。なんだかすごい盛り上がりでしたよ。みんなルグリが大好きなんだね。上半身だけ起こしてそっと挨拶をするルグリ。

今回の「ジゼル」は比べるための公演とも言えると思います。
このレベルになるといくら比べられてもビクともしないので、思う存分比べてしまいますよ(笑)
2幕でジゼルから手渡された百合の花束をマラーホフはお墓の前にぶちまけ…いや置きますが、ルグリは持ったまま袖に走って行ってしまいます。

最後は舞台左手前のお墓から中央に向かってお花を落としながら斜めに下がって行くマラーホフ。横になって上半身を起こして手を前にのばして幕。ルグリはお花を持って中央に行き、落としながら前の方にやってきてひざまずいて幕。

客席の拍手もすごかった。割れんばかりとはこのこと。
ルグリが素晴らしいほど、ルグリなきあとのパリ・オペラ座バレエ団の行く末を憂いてしまいます。もちろん輝くエトワールたちはたくさんいますが、正直、今の段階では格が違うように思えます。

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