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東京バレエ団「ジゼル」(7)'08 9/16 [バレエ]

さすがにここまで来ると、仕事中も頭の中でジゼルの音楽が鳴っています(笑)
連日の五反田通いも今日で終わりです。
もう一度彼女のジゼルが観られるということで、楽しみにしてきました!

ジゼル: 小出領子
アルブレヒト: マニュエル・ルグリ
ヒラリオン: 木村和夫
バチルド姫: 井脇幸江
公爵: 後藤晴雄
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット): 西村真由美 - 横内国弘、乾友子 - 宮本祐宜、阪井麻美 - 梅澤紘貴、河合眞里 - 小笠原亮
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 高木綾
ドゥ・ウィリ: 奈良春夏、田中結子
東京バレエ団

なんと今日は1列目。
コール・ド・バレエには適さないけど、表情ばかりか汗まで見える。とは言っても、オケピがあるので本当に目の前というわけではありませんが。

1列目になって初めて知ったことがあります。オケピと客席を分けているのは壁ではないこと。ちゃんと隙間が空いていて音が聴こえるようになっているんですよね。なるほど〜。でも、1列目は音のバランスがめちゃくちゃ悪いです。サントリーホールのP席よりずっと。上手側だったので、管打の音ばかり聴こえてきました。これまた上手ければいいんでしょうが…。

貴族たちが来るときに隠れたアルブレヒトが、村人たちとジゼルが踊るときに戻ってきますよね。そのときにルグリのお尻がちょっと白くなってました。白いところに腰掛けたか白い壁をすったか・・・。どうでもいいんですが、1列目は何でも見え過ぎですね(笑)

小出ジゼルは1列目でも素晴らしい。
この人のジゼルにはなんだか共感できるんです。
村で一番かわいくて踊りが上手で心臓が弱い女の子が身分を隠した貴族と恋に落ち、裏切りを知ってショックで狂って死んでしまうという現実離れしたお話なのに、すごくリアルに感じます。そして、現代劇を観ているかのように自然に感情移入できるんですよね。
アルブレヒトがヒラリオンに向かって“お前のせいだ”と言うと、ヒラリオンは“オレか?いや、お前のせいだ”となりますが、“本当に、お前のせいだ!”とアルブレヒトに言ってやりたくなってしまいました。

それぞれのアルブレヒトの違いばかりを述べてきたような気もしますが、もちろんジゼルだって4人全く違います。しかも、衣装も違うんですよね。特にスカートが。斎藤友佳理さんは濃いめの青からグラデーションで白に。小出領子さんは薄い青からグラデーションですぐ白。かなり白いという印象です。吉岡美佳さんはグラデーションなしの薄い紫で、上野水香さんはやはりグラデーションなしの水色。ちゃんとそれぞれのジゼルの雰囲気に合っています。

castphoto05.jpg


今日は2幕は初日よりよかったですよ。明らかに人間ではあったけど、でもよかった。慈悲深い表情も、朝を告げる鐘が聴こえたときには「本当にこの人が助かって良かった」といううれしそうな表情も。やるたびに良くなっていくんでしょうね。

ルグリは脚が痛かったのかな。2幕の後半の方はおかしかったですよ。ステップのところを歩いたりもしていました。友達は“年だから3回連続公演がこたえてるんじゃない?”とか言うけど…。
故障という感じではなかったけど心配です。無理しないで長く踊り続けてほしいです。

この日のジゼルは、完全に“ルグリの「ジゼル」”じゃなくて“小出領子の「ジゼル」”でした。
最後は純粋に舞台に感動したのと、小出領子さんの上達に感動したのと、ルグリが心配なのと、これで最後なんだという寂しさで、またまた涙が出てしまいました。
夢のような6日間が終わりました。ありがとう。
明日からまたがんばろう。

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東京バレエ団「ジゼル」(6)'08 9/15 [バレエ]

今回のジゼルも残すところあと2回。なんだかあっという間です。
マラーホフの最終日です。

ジゼル: 吉岡美佳
アルブレヒト: ウラジーミル・マラーホフ
ヒラリオン: 後藤晴雄
バチルド姫: 川島麻実子
公爵: 木村和夫
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット): 高村順子 - 中島周、乾友子 - 長瀬直義、佐伯知香 - 松下裕次、吉川留衣 - 平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 西村真由美、高木綾、奈良春夏、田中結子、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 田中結子
ドゥ・ウィリ: 西村真由美、乾友子

前日にルグリのレッスンを受けた松下裕次さんと吉川留衣さんがパ・ド・ユイットに入ってますね。

この日は13列目。後ろだなと感じてしまいます。
でも、吉岡ジゼルは後ろで観る方がいいかも。表情の幅は狭いけど動きは悪くないので。
この人のジゼルは、愛を誓うことはもちろんですが婚約に重点を置いているように感じます。バチルドの指環にもこだわり、自分の指先と比べています。

ウィルフリードの野辺誠治さんはこの3人の全く違うアルブレヒトの相手をしているんですよね。姿勢がよくて好感がもてるウィルフリードです。背が高いというのも貴重かも。そういえば、先月はドン・キホーテを演じていました。

一昨日の舞台では、2幕のとき、途中でジゼルからもらった花束をお墓の段々のところに派手にぶちまけて、段より下のお花がその後ウィリたちの邪魔になりそうになり、あとから何気なく戻していたマラーホフですが、この日は慎重に段々のところに収まるように軽く投げていました(笑)

東京バレエ団のコール・ドは確かに素晴らしいと思うけど、ウィリたちが左右から交差するときに必ず拍手を強要するのはちょっと・・・。自然に沸き起こる拍手じゃないと、一瞬で終わってしまうんですよね。その一連の最後の部分は、手の角度、脚の角度、タイミングまでピッタリで本当に「ブラボー」です。

そういえば、ジゼルはその後ミルタにも花束を持って行くんですよね。マラーホフのときだけなのかな。それとも吉岡ジゼルの演出なのかな。ルグリのときにはないと思ったけど。でも、マラーホフはお花が好きみたいですね。
castphoto02.jpg

斎藤友佳理 - ウラジーミル・マラーホフの組み合わせも観てみたかったな。
マラーホフはアルブレヒトだけでも何度も観てるけど、毎回ちゃんと感動させてくれるのがスゴイです。前回の来日公演「マラーホフの贈り物」のときは、事実病み上がりだったので多少しょうがない部分もあったけど。バレエを愛し観客を愛し、バレエにも観客にも愛されています。本当にいいダンサーですよね。

公演が終わって外に出たところでお母さん役の橘静子さんを見かけました。東京バレエ団のジゼルでは母親役はいつもこの人ですよね。実際には肌が白くて若々しい方でした。「橘先生!」と呼ばれていました。先生なんですよね。

ゆうぽうとホールに通うのも明日で終わりかぁ。
通いました

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ルグリのスーパーバレエレッスン [バレエ]

マニュエル・ルグリスーパーバレエレッスン

ゆうぽうとホールのステージ上で東京バレエ団のダンサー3人がルグリのレッスンを受けるのを客席で観ることができるというものです。

マチネではアルブレヒトを踊り、夜には公開レッスンということで、大忙しのルグリです。

ラ・シルフィード」のオンブルと呼ばれるジェイムズとエフィーとシルフィードのパ・ド・トロワ(エフィーにとってはパ・ド・ドゥ)の場面です。〔ombre=影〕

ジェイムズ:松下裕次
シルフィード:吉川留衣
エフィー:阪井麻美

まずはそれぞれのバリエーション。それからコーダとレッスンが進んでいきます。
ルグリがひとこと言うたびにみるみる良くなっていくのがわかってすごく面白かったです。ルグリが何度も言った言葉は「音楽的には」。「音楽的にはここの動きはこう」「音楽的にはそうなんだけど」・・・“音楽的”という感覚を意識しますよね〜、やっぱり。

今回は1階の前の方の席でよく見えました。普通のTシャツにジャージ姿でも美しいルグリ。やっぱりバレエダンサーの立ち姿はスッとしていて美しいです。2階席だった友達が“周りにはダンサーがいっぱい”と言っていました。
バレエをやっている人は本当に勉強になるんだと思います。私は観るだけで、自分でバレエをやったことはないので、もう少しバレエ用語とフランス語がわかれば・・・と思いました。

最後には模範演技ということで、ラ・シルフィードの映像が流れました。東京バレエ団の映像とパリ・オペラ座バレエ団の映像が編集されたものでしたが、レッスンのあとに観るとよりわかりやすく楽しめました!

ピアニストは高岸浩子さん。ミスタッチがいっぱいだったけど、バレエのピアノってそういうものなのでしょうか。“バレエ・ピアニスト”という単語で山岸凉子の「アラベスク」を思い出してしまいました(笑)
通訳さんは、ルグリと生徒のダンサーたちの動きによってステージ上を移動しながらです。客席からの視線を遮らないように動くのも大変だったと思います。

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東京バレエ団「ジゼル」(5)'08 9/14 [バレエ]

東京バレエ団の今回の「ジゼル」は5公演目にして、やっと主役がまったく同じ組み合わせの2回目になりました。組み合わせバリエーションは全部で5組ですね。
入口には大入の文字がありました。日曜日だからかな。

ジゼル: 斎藤友佳理
アルブレヒト: マニュエル・ルグリ
ヒラリオン: 木村和夫
バチルド姫: 井脇幸江
公爵: 後藤晴雄
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ベザントの踊り(パ・ド・ユイット): 西村真由美-横内国弘、乾友子‐宮本祐宜、阪井麻美-梅澤紘貴、河合眞里-小笠原亮
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 高木綾
ドゥ・ウィリ: 奈良春夏-田中結子

席は、かなり上手寄りの前から9列目でした。
斎藤友佳理さんは回を重ねるごとに良くなっていきます。
この日は明らかに2日前よりよかったです。2日前だって素晴らしかったのに。

斎藤友佳理好きの友達は、“ルグリの自分見せが正直うざい。時々じゃま”と言っていました。しかも“アルブレヒトも一緒に死んじゃえばいいのにって思った”とも。そこまで言わなくてもいいのにね・・・┐(´ヘ`)┌
私はルグリも好きなので、役に対するアプローチは十人十色だな〜と感心して見ているくらいです。

2幕では彼女以上のジゼルにはなかなかお目にかかれないと思いますよ。
見た目は明らかにウィリなのに人間的、でも決して人間ではない・・・うーん、表現ができない。ジゼルの2幕は“無償の愛”がテーマとか言われるけど、そういうものも超越している感じがあります。

この日も、苦しいながらも踊り続けなくてはいけないアルブレヒトのソロが終わって倒れ込んだあと、拍手は鳴り止まずにルグリは上半身を起こして挨拶。

夜明けを迎えて2人(1人と精霊)が別れるシーンもいいですね。
他のジゼルはお墓の横にスッと1歩下がって消えて行きますが、斎藤ジゼルはパ・ド・ブレで消えて行きます。それが“らしい”感じなんです。

ルグリはカーテンコールのときも主導権を握っていますね。
おじぎも何もかもルグリのペースで進んでいきます。斎藤友佳理のゆっくりした動きより少しテキパキした感じなんです。一番年上だし、先生だしね(笑)
castphoto01.jpg

この組み合わせは大阪で1回だけ公演するんですよね。9/19(金)at フェスティバルホールです。
友達が“チケットがあったら大阪行っちゃいそう”と言っていました。幸い私は野球のチケットを買ってあるので、よかったです(笑)
でも斎藤友佳理のジゼルまた観たい。

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東京バレエ団「ジゼル」(4)'08 9/13 ソワレ [バレエ]

東京バレエ団「ジゼル」 2008年9月13日 18:00
この日のソワレは吉岡美佳さんが登場。そして、再びのマラーホフです。

ジゼル: 吉岡美佳
アルブレヒト: ウラジーミル・マラーホフ
ヒラリオン: 後藤晴雄
バチルド姫: 川島麻実子
公爵: 木村和夫
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ベザントの踊り(パ・ド・ユイット): 小出領子 - 長瀬直義、高村順子 - 中島周、佐伯知香‐松下裕次、吉川留衣‐平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、渡辺理恵
ミルタ: 井脇幸江
ドゥ・ウィリ: 奈良春夏、田中結子

下手側の前から2列目です!
よく見える〜。汗まで見えます。

同じマラーホフ・アルブレヒトでも、相手が違うとだいぶ違います。
違う人を相手に1日2回ヒラリオンを演じる後藤晴雄さんも大変ですよね。彼のヒラリオンはジゼルに向けた笑顔がとてもいいです。

ジゼルは非常にドラマティックな舞台なので、ある程度の演技力を持って踊れば、大抵は感動できます。でも、吉岡美佳さんには感情移入も同情も否定されている感じを受けました。これはジゼルに限らず、彼女は何の役でも表情が硬くて冷たく感じます。踊りは上手なんだけど・・・。これは、もう好みの問題だと思います。

初日のマラーホフ・アルブレヒトは、2幕の最初に手にしている百合の花束から1本を舞台の手前中央に落として行くという演出(なのか?)がありましたが、この日は普通にマントをひらひらさせて過ぎるだけでした。実は初日は落ちちゃっただけなの・・・?

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彼女はマラーホフと温度差があるように思えて、なんとなくギクシャクした舞台だったという印象です。何度も共演してパートナーシップは築かれていると思うんだけど、こちらから見ると何か足りないような、もう少しピッタリはまってほしいというか・・・。
マラーホは中1日で疲れているとは思うけど、もどかしい感じもあったんじゃないかな。この日のマラーホフは、カーテンコールでもすぐに素に戻って笑顔を見せていました。

ビールとワインと食べ過ぎのせいでパ・ド・ユイットのときにウトウトしてしまいました。う〜ん、残念。唯一この公演だけ小出領子さんが踊ったのに。

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東京バレエ団「ジゼル」(3)'08 9/13 マチネ [バレエ]

今日は2本立てです。
マチネの方はジゼル初主演の上野水香&久しぶりアルブレヒトの高岸直樹コンビ。

ジゼル: 上野水香
アルブレヒト: 高岸直樹
ヒラリオン: 後藤晴雄
バチルド姫: 井脇幸江
公爵: 木村和夫
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ベザントの踊り(パ・ド・ユイット): 西村真由美 - 横内国弘、乾友子 - 宮本祐宜、阪井麻美 - 梅澤紘貴、河合眞里 - 小笠原亮
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 田中結子
ドゥ・ウィリ: 西村真由美-乾友子

マラーホフとルグリのジゼルは全日程チケットを押さえた私たちですが、この公演だけは迷っていました。上野水香さんのジゼルはどうなのかなと思っていて・・・。でも、前月の「ドン・キホーテ」がとても良かったので、一応観てみることにしました。

NBSのチケットクーポンが4,000円分あり、それにクラブ・アッサンブレのポイントを1万ポイント使用。もともとアッサンブレ会員はS席とA席が安くなっているということで、ナント1人500円でA席のチケットが買えちゃいましたよ。これならイマイチだとしても納得できるお値段です。

結論から言うと、がんばっていました。彼女も少しずつ進歩しているんですよね。
友達はけっこう厳しいので“村一番の美人さんの役には無理がある”とか言っていました。私が“彼女は小動物的なかわいさがあるし、小動物好きの男性もいるから”と言うと、最初は納得しましたが“ヒラリオンまで?”とツッコミを・・・。

私が彼女のジゼルで気になるのはキレイにまとめようとしてドラマが小さくこぢんまりした印象になってしまうところです。ジゼルに限らないんだけど、ちょっと上っ面な演技に思えてしまいます。自分をさらけ出すことができない感じです。容姿にも恵まれ、素晴らしいテクニックを持っているだけに残念です。
友達は“動きが1つ1つバラバラでつながらないところがよくない”と言います。なので、勢いで行けてしまう「ドン・キホーテ」はOKということなんですね。

高岸アルブレヒトは、マラーホフとルグリに比べると多少見劣りはしますが、独自のアルブレヒトを打ち出していてこれまた楽しめました。シーンにとけ込めるというのが強みでしょうか。登場シーンはルグリ型、ウィルフリードとのやり取りはマラーホフ型かな。上野ジゼルもそうですが、ソロの部分では踊りもアレンジしていました。

このアルブレヒトは、ジゼルがお母さんに連れられて家に入るときに、名残惜しそうだけど潔い態度でした。むしろジゼルの体を気遣って入るように促す感じでしょうか。
高岸さんのアプローチは日本人らしいなと思いました。ルグリもマラーホフもかなり強引に連れ出そうとしてますから。マラーホフなんてドアが閉まる瞬間までついて行って、お母さんに“ダメ”って言われています。

ヒラリオンを後藤晴雄→木村和夫→後藤晴雄と見てみて、木村ヒラリオンは帽子の使い方がうまいということに気づきました。後藤ヒラリオンは帽子かぶっていないんですね。最初のお花の扱いもそれぞれ違います。後藤ヒラリオンの方がやや人懐っこい。少し子供っぽい感じかな。

上野&高岸ペアは背が高いので、村人たちと一緒に踊っていてもだんぜん目立ちますね。上野ジゼルは、踊っている最中に具合が悪くなるシーンで、アルブレヒトにベンチに腰掛けるようにすすめられても“大丈夫”と、一度も座らずに踊りの輪に戻って行くという気丈ななところを見せていました。

2幕の上野ジゼルも悪くなかったけど、ウィリじゃなくしっかり人間でした。
百合の花をアルブレヒトに渡すところは“手渡す”じゃなくて“膝の上にぶちまける”という感じで、アルブレヒトが拾い集めていましたよ(笑)

上野水香は人気者ですよね。
“よくあそこでピタッと止まれるよね〜” “ほんと!” と、バレエを習っていそうな女の子たちの会話が聴こえてきましたが、バレエ少女たちにとってはあこがれの人なんだと思います。東京バレエ団に移籍する前(牧阿佐美バレヱ団の団員だった頃)よく東京バレエ団の公演を観に来ていましたが、そのときはいつもロビーで子供(バレエ少女)たちに囲まれてサインや写真に応じていました。
東京バレエ団のレパートリーが好きなのかな、と思っていたところ2004年に移籍。その後、いろいろな役を踊ってきましたよね。

東京バレエ団の中ではやっぱり、まだ異質な感じは否めないんだけど、何かきっかけがあれば飛躍的に伸びるのではないかと期待はしています。今はかなり役柄を選びますよね。いつの日か素晴らしい「ジゼル」や「ボレロ」を観たいです。どちらも自分をさらけ出さないといけない演目です。

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東京バレエ団「ジゼル」(2)'08 9/12 [バレエ]

東京バレエ団の「ジゼル」2日目は斎藤友佳理&マニュエル・ルグリ

ジゼル: 斎藤友佳理
アルブレヒト:マニュエル・ルグリ
ヒラリオン: 木村和夫
バチルド姫: 井脇幸江
公爵: 後藤晴雄
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ベザントの踊り(パ・ド・ユイット): 西村真由美-横内国弘、乾友子‐宮本祐宜、阪井麻美-梅澤紘貴、河合眞里-小笠原亮
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 高木綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 高木綾
ドゥ・ウィリ: 奈良春夏-田中結子

ゆうぽうとホールの1階の18列目ってかなり後ろなんですね。でもS席。
ルグリのアルブレヒトは、登場シーンからマラーホフとは全く違います。衣装も何もかも。もちろん、振付けはほぼ一緒なんですけど本当に違うんです。

マラーホフのときはヒラリオンが最初に登場しますが、ルグリは最初っからアルブレヒトが登場してウィルフリードと一緒にジゼルの家の向かいの小屋に入っている間にヒラリオンが登場して去って行きます。
マラーホフ・アルブレヒトはジゼルに会おうとするのをウィルフリードにかなり強く止められて、最後に“去れ”と命令してやっとウィルフリードがしぶしぶ去って行った感じですが、ルグリ・アルブレヒトは最初から割と強めに“去れ”と命令しています。マラーホフ・アルブレヒトはウィルフリードと何やらたくさん話をしていました。

この日の斎藤ジゼルは、昨年フォーゲルと踊ったときとは違って演技もオーバー過ぎず良かったです。あのときのジゼルは完全にいっちゃった人になっていましたから。マラーホフの降板でみんなが“がんばらなきゃ”と思って力が入っていたのかもしれません。
前日にヒラリオンとミルタだった2人がこの日は公爵とバチルド。なんだか面白いです。

川島麻実子さんのバチルドは、容赦なく気位も高く顔つきも意地悪そうなわかりやすい少女漫画の敵役みたいな感じでしたが、井脇幸江さんのバチルドは貴族の家に生まれ育った普通のやさしい女の子という感じも持ち合わせているんですよね。

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2幕は斎藤友佳理の本領発揮。
ヘンな言い方かもしれないけど、彼女は人間じゃない役が得意ですよね。不思議な浮遊感みたいなものがあるので、ウィリ(精霊)やシルフィード(空気の精)がピッタリきます。流れるような動きが素晴らしいんです。ジゼルは2幕が真骨頂だと思います。1幕が上手な人はけっこういるかもしれませんが、2幕となるとなかなか…。
彼女のジゼルやラ・シルフィードを観ると、いつも「アラベスク」のアーシャを思い出してしまいます。“足音がしない!”(笑)

ヒラリオンの木村和夫さんも好きなのですが、なかでも死ぬまで踊らされているときにウィリたちが大きな輪になってまわるのと逆にまわりながらジャンプしたときの手のポーズが気に入っています(マニアック・・・)。

ルグリ・アルブレヒトが踊らされるソロでは倒れ込んだあと客席から拍手が鳴り止みませんでした。なんだかすごい盛り上がりでしたよ。みんなルグリが大好きなんだね。上半身だけ起こしてそっと挨拶をするルグリ。

今回の「ジゼル」は比べるための公演とも言えると思います。
このレベルになるといくら比べられてもビクともしないので、思う存分比べてしまいますよ(笑)
2幕でジゼルから手渡された百合の花束をマラーホフはお墓の前にぶちまけ…いや置きますが、ルグリは持ったまま袖に走って行ってしまいます。

最後は舞台左手前のお墓から中央に向かってお花を落としながら斜めに下がって行くマラーホフ。横になって上半身を起こして手を前にのばして幕。ルグリはお花を持って中央に行き、落としながら前の方にやってきてひざまずいて幕。

客席の拍手もすごかった。割れんばかりとはこのこと。
ルグリが素晴らしいほど、ルグリなきあとのパリ・オペラ座バレエ団の行く末を憂いてしまいます。もちろん輝くエトワールたちはたくさんいますが、正直、今の段階では格が違うように思えます。

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東京バレエ団「ジゼル」(1)'08 9/11 [バレエ]

今日からジゼル週間です(私と友達の間で)。
連日、五反田のゆうぽうとホールに通うことになっています!

ルグリ - マラーホフ「ジゼル」

初日はフレッシュなジゼルと誠実なアルブレヒト。

ジゼル: 小出領子
アルブレヒト: ウラジーミル・マラーホフ
ヒラリオン: 後藤晴雄
バチルド姫: 川島麻実子
公爵: 木村和夫
ウィルフリード: 野辺誠治
ジゼルの母: 橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット): 高村順子‐中島周、乾友子‐長瀬直義、佐伯知香‐松下裕次、吉川留衣‐平野玲
ジゼルの友人(パ・ド・シス): 西村真由美、高木綾、奈良春夏、田中結子、矢島まい、渡辺理恵
ミルタ: 井脇幸江
ドゥ・ウィリ: 西村真由美-乾友子
東京バレエ団

この日は前から4列目の中央より上手寄りの席。
小出領子さんのジゼルが登場しただけでなんだか涙が出ちゃったんですよね。前日、服着たまま電気つけたままコンタクトしたまま寝てしまって目が疲れているせいかとも思ったけど、彼女もここまで来たか、と感慨深いものがありました。

舞台が進むにつれ、「これはスゴイかも」と思えてきました。小出領子もマラーホフも、しっかりジゼルとアルブレヒトになりきっているのに、とても音楽的なんです。ヘンな表現かもしれないけど、いい舞台っていうのはそれが両立するものなのかもしれません。

パ・ド・ユイットがちょっと落ちた感じは否めません。古川さんと大嶋さんが抜けた穴は大きいのかもしれません。あの競い合うようにして踊る2人の存在が与える影響は大きかったと思います。でも、これからですよね。でも、中島くん、ちょっと髪の毛長過ぎです(笑)

今回の企画はマラーホフルグリのアルブレヒト・ガチンコ勝負ですよね。
でも、それぞれの舞台上でジゼルとアルブレヒトも火花を散らすのかもしれません。マラーホフもすごく力がこもっていて(力んでいるんじゃないですよ)…。今年のマラーホフ・アルブレヒトはひと味違います。新境地を開いたのでしょうか。

これまでは、身分の差を考えたら絶対無理なのに「ジゼルと結婚したい」くらい思っていそうな、純粋だけど世間知らずの坊々的なところがありました。身分を超えた純愛だったんですよね。でも、今回は最初から無理なつもりでもかわいいジゼルを自分に振り向かせるという、本来の(?)アルブレヒト像を踏襲していながらプレイボーイ的なところは感じさせず、最後には“本当にひどいことをしてしまった”と激しく悔やむアルブレヒトなのでした。しかも、往生際も悪い。とても人間くさいんです。
小出ジゼルも素晴らしい。舞台の上で本当のドラマが展開しているようでした。

なんか、もう1幕は涙をこらえきれませんでした。しかも、ボロボロ。休憩で明るくなったとき友達と顔を見合わせたら同じ状態でした。

2幕はもう一息感があったけど、きっとこれから完成していくんだろうと思います。ジゼルはウィリ(精霊)じゃなくて人間という感じだったんですよね。1幕が人間で2幕がウィリというのがジゼルの難しいところだと思いますが、そこが醍醐味でもありますからね。

私の好きな井脇幸江さんのミルタも健在です。彼女がいるだけで舞台上に凛とした空気が漂います。この日は席が中央より少し上手側の前から4列目だったので、目の前で見られました。どのポーズもステキだけど、物音や朝の鐘の音に耳を傾けるポーズが好きです。私も彼女のミルタに拒絶されたい(笑)

カーテンコールになってもしばらくの間、マラーホフはなかなかアルブレヒトが抜けなくて、憔悴し切った表情のままでした。小出領子がすぐに素に戻ってしまったのがちょっと残念に思えるくらい。ずっと小出さんのことをジゼルとして愛おしんでいました。
そこがマラーホフのいいところですよね。

ゼヒこの組み合わせでもう一度観てみたいものです。
よろしくお願いします、NBSさん。

マニュエル・ルグリ、小出領子インタビュー&動画メッセージ
↑ ↑ ↑
この組み合わせもとっても楽しみです!

オケが上手かったらもっと気持ちよくなれるんですけどね。いつもそこがもどかしいです。

ゆうぽうとホールのロビーには、来年上演予定のマラーホフ版「眠れる森の美女」の衣装が展示してありました。衣装はきれいです。確か舞台上にもお花がいっぱい。でも、以前に観たときには眠くなってしまったんですよね。今度はどうだろ。マラーホフのカラボスは楽しみ!
日程は→コチラ
オーロラの衣装 リラの衣装

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ベジャール・バレエ団「ボレロ」他(1) '08 6/8 [バレエ]

モーリス・ベジャール・バレエ団の2008年日本公演が始まりました。
詳細は → コチラ

今回、友達の強い要望で東京&横浜公演の全日程のチケットを取ってしまったんですよね。申し込んだ後、友達が「一線超えた気分」と言っていました(笑)
初日は神奈川県民ホールです。元町・中華街駅からだと近いですよね。

これが死か SERAIT-CE LA MORT?
ジュリアン・ファヴロー/カテリーナ・シャルキナ/カトリーヌ・ズアナバール/エリザベット・ロス/ダリア・イワノワ

男性1人に女性4人。
1人の男が死ぬ間際、彼がかつて愛した女性たちが次々に現れる・・・というバレエです。タイトルを見なくても、なんの予備知識がなくても、それを感じ取ることができると思います。ローズ、フクシア、バイオレットの3人の女性は確かに彼と人生のひとときを分かち合った記憶がある・・・そして、どうしても思い出せない謎の人物が1人(白)。でも、白の彼女が一番深い仲だったように見えます。
みんな体型も背の高さも個性もバラバラですが、見た目も動きもとにかく美しい。ひとりひとりのレベルが高いので、安心して個性を楽しめる感じなのです。ファヴローもいいですね。

イーゴリと私たち IGOR ET NOUS
シェフ:ジル・ロマン
パ・ド・カトル:カテリーナ・シャルキナ/カルリーヌ・マリオン/ダリア・イワノワ/ルイザ・ディアス=ゴンザレス
パ・ド・トロワ:ダヴィッド・クピンスキー/ジュリアン・ファヴロー/ダフニ・モイアッシ
パ・ド・ドゥ:マーティン・ヴェデル/カトリーヌ・ズアナバール

面白いです!!ジル・ロマンが指揮者なんですね。
オケのチューニングの音に合わせてジル・ロマン登場。会場から沸き起こる拍手にジルがおじぎ。この作品は、オーケストラのリハ中のイーゴリ・ストラヴィンスキーの声を使って作られた作品です。最初はフランス語で途中から英語になりますが、ストラヴィンスキーが発する言葉のリズムにピッタリ合った振りが何とも言えません。とにかくとにかく、ジルがいいです!! 使われている曲もかなり “(ストラヴィンスキー)らしい” ので、タイトルを見なくても“あぁ、ストラヴィンスキーだ”と思えるはず。「火の鳥」や「ヴァイオリン協奏曲」などがこの作品にいい味を加えています。
ベジャールは昨年4月にこの作品の制作を開始しましたが、残念ながら未完ということになりました。でも、ジル・ロマンがベジャールの志に忠実に、振付けをいっさい加えることなく作品を完成させたんだそうです。ブラボー!

祈りとダンス LA PRIÉRE ET LA DANCE
ルーミー:全員
3つのバラ:ルイザ・ディアス=ゴンザレス/カトリーヌ・ズアナバール/ダリア・イワノワ
炎:バティスト・ガオン
デュオ:カテリーナ・シャルキナ/ジュリアン・ファヴロー
ゴレスタン:全員
パ・ド・ドゥ:ヨハン・クラプソン/アレッサンドロ・スキアッタレッラ
パ・ド・トロワ:ジュリアーノ・カルドーネ/エティエンヌ・ベシャール/ニール・ジャンセン/アルトゥール・ルーアルティー
パ・ド・カトル:ガブリエル・バレネンゴア/ティエリー・デバル/マーティン・ヴェデル/エクトール・ナヴァロ
ソロ1:那須野圭右
ソロ2:ドメニコ・ルヴレ

「中東の音楽にのせて民族の祭り・営み躍動的につづる」バレエなんだそうです。
最初のルーミーは白いスカートのように裾の広がった衣装の男性による群舞。すごく力強くて躍動感あふれる踊りでした。その後、赤い衣装の女性3人が出てきたときにはベジャールの「くるみ割り人形」を思い出してしまいました。あの妙にポップな光の天使や妖精。でも、ここではバラの花だったようです。胸に赤い花がついた男性のソロ・・・ん?あれは炎なのね。最後の赤い衣装の男性群舞も面白いですね〜。那須野くんのソロもよかったです!

ボレロ BOLÉRO
オクタヴィオ・デ・ラ・ローサ

東京バレエ団以外のボレロを観るのは何年ぶりだろう。
最初は“真面目なボレロ”という感じでした。だんだん動きが大きくなっていくなか、彼のメロディーは“ほとばしる情熱”というより、どこか“なげやり”という印象を受けてしまったんですよね。最後まで硬い感じだったし。ボレロはメロディーを踊る人によってカラーが全く違ってくるものだと思います。彼のメロディーが好きっていう人もいると思うけど、私は好みじゃないかな。
そんな感じで、初日のボレロはなんだか不完全燃焼なのでした。ただ、ベジャール・バレエ団でボレロを観られたことで満足感を得た感じでしょうか。

そして、終わったら急いで東京ドームに向かいます(笑)

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パリ・オペラ座バレエ団「ル・パルク」 '08 5/23 [バレエ]

パリ・オペラ座バレエ団の公演は何度も観ているけど「ル・パルク」は初めてです。今回はNBSではないのですね。楽天チケットで取りました。
会場はBunkamuraオーチャードホール。このホールは、あまりバレエに向かない会場という印象があるのですよね。

この日の主役はレティシア・プジョルとマニュエル・ルグリ。その他にエミリー・コゼット、ニコラ・ル・リッシュという組み合わせの日もあります。
モーツァルトの音楽に乗せたアンジュラン・プレルジョカージュ振り付けの「ル・パルク」。ルグリ見たさに行きましたが、不思議な演目でした。

18世紀フランスの宮廷社会?
ロココの衣装に身を包んだ貴族の男女が恋愛遊戯に明け暮れる風景でしょうか。椅子とりゲームやかくれんぼに興じています。

でも実際には男女の誘惑のゲームのようですね。男女がお互いに挑発し合い、だんだんと親密さを深めていく様子が見られます。その中に男の誘惑を拒絶するヒロインが登場・・・という流れ。でも、特にストーリーはありません。

各幕の終盤に3つのパ・ド・ドゥが配されています。これは
1幕 男女の出会い
2幕 恋の芽生え
3幕 恋の情念が燃える
というのを表現しているらしいです。

見た目はクラシックで音楽もモーツァルトなのですが、現代の振り付けに現代音楽が加わっています。なんとも言えない雰囲気はあるけど、ちょっと長く感じてしまいます。
場面転換ごとに挿入される4人の庭師の踊りは印象的でした。

もちろん、ルグリとプジョルはよかったです。
ルグリは今回主役を踊る4人のエトワールの中では唯一初演時からのキャストだそうです。プジョルにはあまり良い印象はなかったけど、成長しましたね。でもエトワールにしては華がないよ。印象が地味です。
ドレスを脱いで踊る最後のパ・ド・ドゥは見応えがありました。

見終わって友達と「こういうのはフランス人が好きそうだよね」という話になりましたが、それが率直な感想です。とりあえず1度でいいかな。私にとっては、また見たい!という演目ではなかったです。
プレルジョカージュの他の演目は見てみてもいいけど。

パリ・オペラ座バレエ団2008年日本公演 特集ページ

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