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東京バレエ団「ジゼル」'11 8/17 [バレエ]

会社から五反田のゆうぽうとホールへ。
楽しみにしていた東京バレエ団とヴィシニョーワ&チュージンの「ジゼル」です。

giselle.png

今年の震災以降は、来日してくれるだけでもありがたいと思えます。
東京バレエ団とヴィシニョーワのジゼルは以前、マラーホフとのペアで見ています。
あれは素晴らしかった。

チュージンは初めて。
ヴィシニョーワはいつ何を見ても安定していて、期待以下のことはないのですよね。美しいし。この日のジゼルも良かった・・・けど、ヴィシニョーワの輝きにチュージンは完全にかすんでしまっています。
スタイルも良いし身体も柔らかく踊りそのものは悪くないんだけど。
もしかして、アルブレヒトが合わないのかも。(特に1幕)

木村さんのヒラリオンはやっぱりイイ。
わざとらしさもなく、自然にドラマが展開していく感じなのです。

田中結子さんのミルタも前よりよくなってきたように思えます。
ダンサーの成長を見るのも楽しみですよね。

そして、ヴィシニョーワのジゼル!
1幕も2幕も完全に自分の世界を作り上げていました。
素晴らしいことに、こちらもまだ成長しているのです。
ヴィシニョーワには元気で健康的なはつらつとしたイメージがあるので、1幕では心臓が悪いところをちょっと大げさにアピール(笑)
でも、狂ってしまうところは大げさすぎず。

2幕ではしっかりウィリになっていました。
裏切られ、そのせいで命を落としたというのにアルブレヒトを助けようとするジゼル。恋愛の愛よりももっと大きな愛が感じられるのですよね。

拍手はなかなか止まなかったけど、カーテンコールの2〜3回目まではまだ役のまま。その後、やっと笑顔を見せてくれました。

ジゼルは時々見たい演目です。
もちろん、主役は選ぶけど。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆主な配役◆
ジゼル:ディアナ・ヴィシニョーワ
アルブレヒト:セミョーン・チュージン
ヒラリオン:木村和夫

【第1幕】
バチルド姫:吉岡美佳
公爵:後藤晴雄
ウィルフリード:柄本弾
ジゼルの母:橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):高村順子-梅澤紘貴、乾友子-長瀬直義、佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-宮本祐宜

ジゼルの友人(パ・ド・シス):西村真由美、高木綾、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

【第2幕】
ミルタ:田中結子
ドゥ・ウィリ:西村真由美、吉川留衣

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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第12回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ「ドン・キホーテ」 '09 7/29 [バレエ]

第12回世界バレエフェスティバル開幕です!
バレエフェス

3年に一度のバレエファンのお楽しみ。これから約2週間、上野の東京文化会館に通うことになるんですよね。まずは全幕特別プロ「ドン・キホーテ」。

人身事故のせいで総武線が遅れていましたが、開演までには東京文化会館に到着。入口には大入の文字が。
友達は楽しみで眠れなかったそうです(暑かったせいかもしれないそうですが…笑)。

キトリ/ドゥルシネア姫:マリア・コチェトコワ
バジル:ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:野辺誠治
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:平野玲
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:横内国弘

【第1幕】

2人のキトリの友人:乾友子‐佐伯知香
闘牛士:松下裕次、長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾、柄本武尊、森川茉央
若いジプシーの娘:吉岡美佳
ドリアードの女王:田中結子
3人のドリアード:吉川留衣、渡辺理恵、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、福田ゆかり、村上美香、阪井麻美
キューピッド:高村順子

【第2幕】

ヴァリエーション1:佐伯知香
ヴァリエーション2:乾友子

協力:東京バレエ学校

指揮:デヴィッド・ガーフォース
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

まず思ったのが“ちっちゃい”(笑)
コチェトコワとシムキンは2人ともかなり小さいです。そして、回る回る。
どうしてもシムキンが目立ってしまうので、コチェトコワがなんとなくかすんでしまいますが、彼女もなかなかのダンサーです。

シムキンは顔のバランスが完全に子供なので、実は本当に子供でこれからまだ背が伸びるんだったりして…とか妄想してしまいます(笑)
シムキンは身体能力が突出しているだけでなく、ものすご〜く楽しそうに踊りますね。見ている方も楽しくなれます。

主役の2人はよかったけど、全体としては“素晴らしい”ほどではなかったのですよね。でも、ドンキはやっぱりフェスティバルの幕開けにふさわしい華やかで楽しい演目です。
とにかくこれからの2週間余りにお楽しみが凝縮されています。
熱い夏になりそうですね♪

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ピナ・バウシュ [バレエ]

ピナ・バウシュ死去のニュースを見ました。68歳だったそうです。癌だったのですね。
ドイツの有名な振付家ですが、私の中では独自のスタイルの作品を作る大御所というイメージでした。ヴッパタール舞踊団と何度も来日公演を行っていますよね。

ピナ・バウシュはコンテンポラリーダンスの第一人者で、ドイツでクルト・ヨースに師事した後ニューヨークに留学してアメリカの現代舞踊を学び帰国、1973年にヴッパタール舞踊団の芸術監督に就任しています。そうそう、アカデミー脚本賞を受賞したスペイン映画トーク・トゥ・ハー(2002年)の中では踊りを披露していますよね。
2007年には、優れた芸術家に贈られる京都賞(映画・演劇部門)を振付家としては1999年に受賞したモーリス・ベジャールに次いで受賞しています。

pina.png

結局、ピナ・バウシュの作品はまだ一度も観ていません。
ピナ・バウシュ版「春の祭典」にはずーっと興味を持っているのですが、なかなか機会がないものですね。

ヴッパタール舞踊団は来年 2010年6月に来日公演を行う予定です。
芸術監督が亡くなってもダンスカンパニーは継続していくわけですからね。
それにしても、ベジャールやピナ・バウシュの場合、単なる芸術監督だけではない影響力のようなものが大きすぎるので、継続していくカンパニーのメンバーは重責を担うことになると思います。

これからも偉大な振付家の作品を後世に伝えて残していくことが、残されたカンパニーの使命となっていくのでしょうね。
ご冥福をお祈りします。

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パリ・オペラ座バレエ学校 '09 4/25 [バレエ]

11年ぶりのパリ・オペラ座バレエ学校の公演。今日が初日ですね。
東京文化会館で4日間公演があります。

正直、バレエの祭典に含まれていなければ行かない公演です。
振付師の名前はなかなか魅力的なラインナップです。ジャン=ギヨーム・バール、ジョゼ・マルティネスジョン・ノイマイヤー
マルティネスは現役のエトワールですからね。バールも一昨年引退したばかり。そして、今をときめくノイマイヤー。

パリ・オペラ座バレエ学校の前回公演時の校長はクロード・ベッシー(ギエムを見出した人としても有名ですね)でしたが、現在の校長はエリザベット・プラテル。時代を感じます。

バールの「ペシェ・ド・ジュネス」は眠くなってしまいました。
上演時間40分ですが、飽きます。

マルティネスの「スカラムーシュ」は可愛らしい作品で、子供ならではのバレエです。
スカラムーシュ役にはナレーションがあり、やたらと日本語の上手いなぁと思ったらジュンタロウ・オオグチ=コストという名前だったので、日本人の血が入っているようです。「私はジョゼ・マルティネスさんに似ていると言われます」と言っていました(笑)ダンスの方もなかなかでした。

ノイマイヤーの「ヨンダーリング」はさすがに完成された作品という感じ。
出演者も上手な上級生が多い印象でした。バレエ学校じゃなくてバレエ団の方でも観てみたいです。

最初にも書いていますが、自分ではバレエの祭典に入っていなければこの値段出して観には行かないと思います。“すごくレベルの高いバレエの発表会”ですからね。だからこそ、祭典に含まれているわけですが。いつも一緒に行く友達と私は前にも観たことがあり、そういうものだとあきらめていましたが、今回の祭典で初めてこれを観た友達は、かなりご立腹でした。

きれいでスタイルもよくバレエの才能に恵まれた子供たちをたくさん見られるので、それを楽しめる人にはオススメできます。…んー、でもやっぱり値段は高いかな。
(ちなみにお値段:S¥13,000/A¥11,000/B¥9,000 /C¥7,000/D¥5,000/E¥3,000)


以下、無駄に長いですが、将来ここからエトワールが誕生するかもしれないということで、キャストを全て載せておきます。

ペシェ・ド・ジュネス
振付:ジャン=ギヨーム・バール
音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ
弦楽ソナタ第1番ト長調、および第3番ハ長調、第4番変ロ長調、第5番変ホ長調より
   
第1パ・ド・ドゥ:レティツィア・ガローニ、レミ・カタラン
第2パ・ド・ドゥ:エンマ・デュミエール、ヌヴェン・リトマニク
3組のカップル:
ソフィー・マイユー、フランソワ・アリュ
アリス・ルルー、ボリス・リシャール
カミーユ・シャニアル、アンドレアス・ベズィジェン
6組のカップル:
アメリ・ジョアニデス、ダルジャ・クルプコヴァ
クロティルド・トラン=ファ、クレール・トゥルヴェ
リリア・ファン・ムール、マリー・ヴァルレ
ダヴィッド・オボワン=テイオ、マチュー・コンタ
エティエンヌ・ドゥメゾン、コンスタン・ヴィジェ
フロラン・ムラック、バティスト・クロ―ドン

スカラムーシュ
振付:ジョゼ・マルティネス
音楽:ダリウス・ミヨー
その他の音楽:カミーユ・サン=サーンスピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ルドヴィク・ミンクス、ブレリアのリズム

スカラムーシュ:ジュンタロウ・オオグチ=コスト
コロンビーヌ:サロメ・シナモン
ドンナ:ダフネ・ヴィドゥヴィエ
アルルカン:パブロ・レガザ
ドットーレ:マリン・ドゥラヴォ
タルターリア:ユーゴ・コラン
プルチネッラ:ジュリアン・ギユマール
バレリーナ:テオドラ・ルウー
王子:ポール・マルケ
のろま:アンドレア・サリ
バレリーナたち :
アリシア・バイヨン、ウジェニー・ドリオン、コラリー・グラン、アワ・ジョアンネ、
エロイーズ・ジョケヴィエル、メリザンド・パスカル、ジャド・パス=バルデ、
ケリー・リフォー・ラヌリ、ニーヌ・セロピアン 
ネズミたち:
マノン・カザリス、フィリピーヌ・グロック、ジュリー・マニョン=ヴェルディエ、
マルゴー・リウブラン、アリアンヌ・セルヴァジャン

ピアノ: トリスタン・ロフィシアル、ステファノ・ヴィスマラ


ヨンダーリング 
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:スティーブン・フォスターによる西部アメリカの民謡

1. 金髪のジェニー
エリオ・クラヴェル、ピエール=アルチュール・ラヴォー、エティエンヌ・フェレール、
レミ・カタラン、ネヴェン・リトマニク、フランソワ・アリュ

2. 恋人よ、窓を開け
カリスタ・ルア
ジュリエット・ジャック、アメリ・ジョアニデス、アリス・ルルー、ソフィー・マイユー、
カロリーヌ・オスモン、アリゼ・シクル

3. モリー、私を愛しているの?
アリゼ・シクル、コンスタン・ヴィジェ

4. ダンシング・オン・ザ・リヴァー
アリゼ・シクル、コンスタン・ヴィジェ
ヴィクトワール・ドゥべ、アリエノール・ドゥカリス、ヴァランティーヌ・イレール、
ダルジャ・クルプコヴァ、ティフェーヌ・プレヴォー、クロティルド・トラン=ファ、
クレール・トゥルヴェ、リリア・ファン・ムール、ダヴィッド・オボワン=テイオ、
ニッコロ・バロッシーニ、ナタン・ブズィ、マチュー・コンタ
アレクサンドル・ダムス、エティエンヌ・ドゥメゾン、シャルル・マンシュ、
フロラン・ムラックエンマ・デュミエール、アメリ・ジョアニデス、レティツィア・ガローニ、
クレール・ルファ、レミ・カタラン、エティエンヌ・フェレール、ネヴェン・リトマニク、
アンドレアス・ベズィジェン

5. 夢路より
ピエール=アルチュール・ラヴォー、エリオ・クラヴェル
カリスタ・ルア

6. そいつが問題
ピエール=アルチュール・ラヴォー
レミ・カタラン、エリオ・クラヴェル、エティエンヌ・フェレール、ネヴェン・リトマニク、
コンスタン・ヴィジェ、フランソワ・アリュ、ダヴィッド・オボワン=テイオ、
エティエンヌ・ドゥメゾン、マチュー・コンタ
アレクサンドル・ダムス、シャルル・マンシュ、フロラン・ムラック、
アンドレアス・ベズィジェン、バティスト・クロ―ドン

7. ああ!赤いバラよいつまでも咲いていてくれ
カリスタ・ルア、ピエール=アルチュール・ラヴォー
ソフィー・マイユー、レミ・カタラン
ジュリエット・ジャック、アンドレアス・ベズィジェン
カロリーヌ・オスモン、フロラン・ムラック
アメリ・ジョアニデス、エティエンヌ・フェレール
アリス・ルルー、ネヴェン・リトマニク
アリゼ・シクル、コンスタン・ヴィジェ
エリオ・クラヴェル

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東京バレエ団 創立45周年記念スペシャル・プロ '09 4/18 [バレエ]

東京バレエ団<創立45周年記念スペシャル・プロ>
東京バレエ団創立45周年記念公演IV

今回のプログラムはキャスト違いで2日間あります。
どちらもフォーゲルとサラファーノフは出演しますが。

エチュード
振付:ハラルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー/クヌドーゲ・リーサゲル

エトワール:上野水香フリーデマン・フォーゲル、レオニード・サラファーノフ

よかったです。
上野水香さんはこういうのピッタリですね。もちろんフォーゲルとサラファーノフも。ただ、これ長いんですよね。始まって最初のシーンを観て思い出しました。バレエのレッスン風景が延々と続くのですが、ライティングも含めてなかなか面白い作りになっています。
フォーゲルとサラファーノフは2人ともスターのオーラを放ってはいますが、フォーゲルよりサラファーノフの方が印象に残りました。彼はやんちゃ坊主という感じの思い切りのよいダンスを見せてくれますね。他の演目も観てみたいです!

サラファーノフの動画が一部観られます→コチラ

月に寄せる七つの俳句
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アルヴォ・ペルト/ヨハン・セバスチャン・バッハ

月:木村和夫

月を見る人:斎藤友佳理-高岸直樹

西村真由美、乾友子、佐伯知香、高木綾、奈良春夏、田中結子
松下裕次、横内国弘、宮本祐宜、梅澤紘貴、柄本弾

夜空:
高村順子、森志織、福田ゆかり、村上美香、吉川留衣、岸本夏未、阪井麻美
高橋竜太、氷室友、小笠原亮、谷口真幸、安田峻介、岡崎隼也、八木進

これ、確か初演のときに観ました。
そのとき以来なので、あまり覚えていないため新鮮な気持ちで観ることができました。ほぼ20年ぶりの再演ということになります。メインの配役は初演のときと同じですが、それ以外はおそらく全員違うのではないでしょうか。
ノイマイヤーが“俳句を踊る”という無茶なことに挑戦しています(笑)
俳句を踊るのは無理かもしれませんが、俳句を踊りで表現するということに対して純粋に興味はおぼえますよね。ステージの上にその雰囲気を作り出すという点はうまくいっていると思います。(微妙な表現…)


タムタム
振付:フェリックス・ブラスカ
音楽:ジャン=ピエール・ドゥルエ/ピエール・チェリザ

ソロ:松下裕次
パ・ド・ドゥ:西村真由美-横内国弘

パーカッション:シルヴィオ・ガルダ
トムトム:アティソー・ロコ

「タムタム」といえば木村さん、というくらい彼の印象が強いのですが、今回は松下裕次くんで。彼はどんどん良くなってきていますよね。タムタムもしっかり魅せてくれました。西村真由美さんもよかったです。
このバレエは、ステージにパーカッションの人がいて、音楽もライブ感あふれる楽しいですよね。アンコールとして最後の部分だけもう一度踊ってくれるのも、この演目のときはいつもですよね。
やっぱり楽しいバレエは何度でも観たくなるものです。

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ボリショイ・バレエ団「ドン・キホーテ」 '08 12/11 [バレエ]

東京文化会館に着くと大ホール入口にはショックな張り紙が。
ザハーロワが前日のリハーサルで負傷して今日の公演には出られないそうです。直前で稽古ができないため、パートナーも一緒に配役変更です。

message-thumbnail2.jpg


始まる前にラトマンスキーが通訳と共に登場。
ザハーロワ降板のお詫びと、「代役の2人はバレエ団一押しの新進気鋭のダンサーなので皆さんをがっかりさせるようなことはありません」という内容のご挨拶でした。

マントフェチ(?)の友達はウヴァーロフのマント姿が見られなくなって残念がっていました(笑)確実にマント姿が見られるのはドンキとジゼルくらいですかね。

キトリ/ドゥルシネア :ナターリヤ・オーシポワ
バジル(床屋):イワン・ワシーリエフ
ドン・キホーテ (さすらいの騎士):アレクセイ・ロパレーヴィチ
サンチョ・パンサ(ドン・キホーテの剣持ち) : アレクサンドル・ペトゥホーフ
ガマーシュ(金持ちの貴族):デニス・サーヴィン
フアニータ(キトリの友人):ヴィクトリア・オーシポワ
ピッキリア(キトリの友人):オリガ・ステブレツォーワ
エスパーダ(闘牛士):アンドレイ・メルクーリエフ
ルチア(街の踊り子):アナスタシア・メシコーワ
メルセデス(踊り子):マリーヤ・イスプラトフスカヤ
ロレンソ(キトリの父):イーゴリ・シマチェフ
ロレンソの妻(キトリの母):アナスタシア・ヴィノクール
公爵:アレクサンドル・ファジェーチェフ
公爵夫人:エカテリーナ・バリーキナ
居酒屋の主人:イワン・プラーズニコフ
森の精の女王:エカテリーナ・シプーリナ
3人の森の精:ユーリヤ・グレベンシチコワ、ネッリ・コバヒーゼ、オリガ・マルチェンコワ
4人の森の精:アレーシャ・ボイコ、スヴェトラーナ・パヴロワ、チナラ・アリザデ、スヴェトラーナ・グネードワ
キューピッド:アナスタシア・スタシケーヴィチ
スペインの踊り:クリスチーナ・カラショーワ、アンナ・バルコワ、エカテリーナ・バルィキナ
ジプシーの踊り:アンナ・アントロポーワ
ボレロ:アンナ・バルコワ、エフゲニー・ゴローヴィン
グラン・パの第1ヴァリエーション:エカテリーナ・クリサノワ
グラン・パの第2ヴァリエーション:アンナ・ニクーリナ

オーシポワとワシーリエフは、とにかく若くて勢いのある2人でした。前日もキトリとバジルを踊っているんですよね。2日連続というのも大変です。
ジャンプも高いし回転のスピードも速い。キトリがバジルに飛び込む勢いもとんでもなかったです。

この日のエスパーダとメルセデスは良かったです。
エスパーダは「明るい小川」でピョートルだったメルクーリエフですね。ボリショイのドンキはエスパーダとメルセデスが2幕までで3幕には出てこない、と何かで読んだことがあるので、一生懸命観ちゃいました(笑)
確かに、3幕は違う人が出てきましたよ。

3幕のかの有名なグラン・パ・ド・ドゥでは、2人の若さ全開の踊りを見せてくれました。オーシポワのグランフェッテは、最初の10回くらいはドゥーブルにトリプルを入れるかたちです。途中からも時々ドゥーブルを入れて、最後まで勢いよくブレなく回ります。負けずにワシーリエフも高速回転を見せ、客席を興奮の渦に巻き込んで終わります。

ボリショイ・バレエの「ドン・キホーテ」は堪能させてもらいました。素晴らしかったと思いますよ。でも、“ザハーロワとウヴァーロフを観たい”という欲求不満はどうしても解消できないのですよね。
お姫様がハマるザハーロワがやんちゃな町娘キトリをどう演じるのかにも興味があったし、なんと言ってもこのポーズをザハーロワで観たかった!(笑)
ピクチャ 7.png

ラトマンスキーは今年いっぱいでボリショイ・バレエの芸術監督を退くそうです。ボリショイはまた進化して変わっていくのかもしれませんね。

このドン・キホーテはアレクセイ・ファジェーチェフ版ですが、考えたらラトマンスキーもファジェーチェフもダンサーとして踊っているところを観ているのですよね。時代を感じます。

この日は東京公演の最終日ということで、最後はステージの上から大きな看板が下りてきて、袖からはテープと紙吹雪がシュパッと。かなり音が大きくてびっくりしました(笑)
大阪であと2回公演がありますが、それが終わると約1か月の長い日本公演を終えてモスクワに帰って行くのですね。

The State Academic Bolshoi Theater of Russia

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ボリショイ・バレエ団「明るい小川」 '08 12/9 [バレエ]

楽しいバレエですね〜「明るい小川」!
今回のボリショイの公演は、最初ザハーロワの白鳥とドンキだけチケットを取っていたのですが、マラーホフの贈り物でアロンソ版カルメンのマリーヤ・アレクサンドロワを観て、襟首つかまれてグイッと引き寄せられた気分になってこちらもあとから取りました(笑)

今回の来日公演の詳細はコチラ

この日は、開演前に芸術監督アレクセイ・ラトマンスキーと日本人ソリスト岩田守弘さんによるトークがあったんですね。18:25からだったそうで、もっと早く行けばよかった…。私が東京文化会館に着いたときには、もう話も終わりの方でした。道化のメイクじゃない素顔の岩田さんはステキな人ですよ。話を聞いていると明日の公演も観たくなります。岩田さんがアコーディオン奏者を演じるんですよね。
アコーディオン奏者の他、初老の別荘住人とその若作りの妻も見所だそうです!

さらにトークの他、今回の公演がロシア文化フェスティバルの一環になっているということで、おエライさんの挨拶があり、こちらは開演時間から挨拶が始まったので最初から押し気味に始まりました。

ジーナ(ピョートルの妻):エカテリーナ・クリサノワ
ピョートル(農業技師):アンドレイ・メルクーリエフ
バレリーナ :マリーヤ・アレクサンドロワ
バレエ・ダンサー(バレリーナのパートナー):セルゲイ・フィーリン
アコーディオン奏者 :デニス・サーヴィン
初老の別荘住人:アレクセイ・ロパレーヴィチ
その若作りの妻:アナスタシア・ヴィノクール
ガヴリールィチ(品質検査官):アレクサンドル・ペトゥホーフ
ガーリャ(女学生):アナスタシア・スタシケーヴィチ
搾乳婦 :アンナ・アントロポーワ
トラクター運転手 :イワン・プラーズニコフ
高地の住人:アントン・サーヴィチェフ
クバンの作業員:バトゥール・アナドゥルジエフ

ショスタコーヴィチ作曲のバレエ音楽というのも珍しいです。
バレエ音楽は3作品あるそうですが、意外なことにバレエが好きだったようです。

先日、パンフレットを見て「フィーリンがゲスト・プリンシパルになってる」「ほんとだ」という会話をしたのですが、フィーリンはロシア国立スタニスラフスキー・ネミロヴィッチ=ダンチェンコ記念モスクワ音楽劇場の新芸術監督に就任し、今年の秋にはボリショイ劇場を離れていました。情報に疎かったのですが、フィーリンは正式にボリショイ・バレエ団を退団していたのです。
でも、今回ゲストで来てくれてよかったです。本当に。

そういや、メルクーリエフって一昨年の世界バレエフェスティバルのときに怪我で来日できなくなったウヴァーロフの代わりに出演した人だね。なかなか良いダンサーですね。
クリサノワもかわいい!

ジーナとピョートル、バレリーナとバレエ・ダンサーの2組が中心だけど、登場人物全員が重要な役のようで群像劇風です。みんなよく踊ります。コミカルな動きや演技で笑わせてくれるし、とにかく楽しいバレエです。ソビエト時代には実質的に上演禁止だったようですが、この作品を復活させたのもラトマンスキーなんですね。

けっこうしっかりとストーリーがあるのですが、お国事情や時代背景などをわかっていないとなかなかわからない部分はあると思います。でも、何も知らなくても純粋に楽しめる作品でもあるんですよね。

とにかくアレクサンドロワとフィーリンが素晴らしかったです。
ピョートルと初老の別荘住人とその若作りの妻たちの浮気心を懲らしめようと若者たちが一計を案ずるのですが、そこでバレリーナとバレエ・ダンサーが衣装を交換するのですね。男装のアレクサンドロワとチュチュを着たシルフィード姿のフィーリンが絶品(?)!!

男装のバレリーナは、1幕でバレエ・ダンサーが踊るバリエーションを全く同じように踊るのです。アレクサンドロワは男性に全く引けを取らないパフォーマンスを見せてくれます!
最初は白鳥の湖のような音楽に乗ってステージを横切るバレリーナ姿のバレエ・ダンサー(フィーリンですね)は、シルフィードやジゼルのパロディのような動きも見せつつ絶妙に笑いを誘います。

面白かったです。用事がなければ明日も観たかった。
ボリショイのダンサーの技術の高さを見せつけられました。
ありがとう、ラトマンスキー。

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ボリショイ・バレエ団「白鳥の湖」 '08 12/7 [バレエ]

3週連続で日曜日はバレエです。またまた上野の東京文化会館に行ってきました。
2月に取ったチケットです。(あのときに取りました)

ボリショイ・バレエ団の「白鳥の湖」は久しぶりだと思います。
ボリショイはこれまでNBSの招請公演だったと思うけど、今回はジャパン・アーツなんですね。
そして、スポンサー付きの冠公演です。

ボリショイ・バレエ 2008来日公演

オデット/オディール :スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子 :アンドレイ・ウヴァーロフ
王妃 (王子の母) :マリーヤ・イスプラトフスカヤ
ロットバルト :ドミートリー・ベロゴロフツェフ
王子の家庭教師 :アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化 :岩田守弘
王子の友人たち :アンナ・ニクーリナ、アナスタシア・ゴリャーチェワ
儀典長 :アレクサンドル・ファジェーチェフ
ハンガリーの王女 :ネッリ・コバヒーゼ
ロシアの王女 :オリガ・ステブレツォーワ
スペインの王女 :アナスタシア・メシコーワ
ナポリの王女 :アナスタシア・ゴリャチェーワ
ポーランドの王女 :エカテリーナ・シプーリナ
3羽の白鳥 :ネッリ・コバヒーゼ、ユーリヤ・グレベンシチコワ、オリガ・マルチェンコワ
4羽の白鳥 :チナラ・アリザデ、スヴェトラーナ・グネードワ、スヴェトラーナ・パヴロワ、アナスタシア・スタシケーヴィチ

ボリショイの白鳥はスピーディーなグリゴローヴィチ版です。
音楽のつなぎが違っていて慣れないとたまにギョッとしますが、2幕4場で休憩も1回なので、上演時間が無駄に長くならないところがいいですね。

1幕の幕が下りたときには、友達と「美しすぎるね」「大スターのオーラだね」としばしため息をつくくらい、ザハーロワで頭はいっぱいでした。客席はため息であふれていたことと思います(笑)
どこから見ても、どこで止めても美しいんです。美しいだけじゃプリマになれないのは当然ですが、美しくなければなれないのももちろんです。

ザハーロワの美しさは、キャノンの一眼レフカメラのCMで見たことある人もいるかもしれません。
今のザハーロワは見た方がいいですよ。本当に。
ダンサーの寿命は長くはないんです。それを言ったら、ウヴァーロフもまさに見るべきときですね。

そして、道化役の岩田さんも素晴らしい!
ボリショイ・バレエ団初の唯一の外国人ダンサーとして有名ですが(といっても、バレエを観る人しかわからないと思いますが)、ゆるぎないテクニックと表現力で観客の心をわしづかみにしてくれます。ありえない高速回転、でも軸はぶれない。背が低いので王子は無理だと思うし、パートナーもかなり選択範囲が狭くなりますが、でも、そういうものを超えています。

グリゴローヴィチ版の白鳥はマイムがないんですよね。オデットの「自分はロットバルトに魔法をかけられて白鳥の姿に変えられた王女で、夜だけ人間の姿。真実の愛を誓う人が現れたら魔法が解けて人間に戻れる」と説明する部分の。
そして、花嫁候補が各国の踊りのソリストになっています。
ストーリーに説得力を持たせたいのかそうでないのか、よくわかりません。

今回のザハーロワの32回転は、1つもドゥーブルを入れずに脚を高々と上げて回ります。それを観ながら漫画の「アラベスク」を思い出してしまいました(笑)

グリゴローヴィチ版の白鳥といっても、前に観たものと違います。
私のバレエ鑑賞が偏っているせいかもしれませんが、今までどちらかというと悲劇の「白鳥の湖」は少なかったという印象です。私が初めてボリショイ・バレエを観たのは1983年のことでした。母に連れて行ってもらったのです。そして、ご多分にもれず初めて観た演目は「白鳥の湖」。そのときはハッピーエンドでしたよ。
小さい頃に絵本で読んだものは悲劇でした。オデットもジークフリートも死んで天国で結ばれるというものです。それにより奇跡がおきて他の娘たちが人間に戻れる…とかじゃなかったかな。

このステージハ最初からロットバルトが支配しているかのようです。
王子もロットバルトに引き込まれちゃった感じでしょうか。運命をもてあそばれ、最後はオデットは死んで途方に暮れた王子が取り残されます。寂しい終わりですよね。

若いダンサーが多いという印象ですが、今のボリショイはとても良いと思います。
グリゴローヴィチの独裁から解き放たれる前後はしばらく混乱した感じだったけど、その後ワシリーエフ→(ファジェーチェフ)→イクサーノフ→アキーモフときて、ラトマンスキーが新風を吹き込んでくれて、世界最高峰のバレエ団としての威信を取り戻したのではないでしょうか。

昔はボリショイはオケは連れて来なかったけど、今は一緒に来日していますね。上手くなくてもやっぱり劇場のオケが一緒の方がいいと思います。

今日は前から2列目だったので、ザハーロワの美しさもウヴァーロフの王子ぶりも岩田守弘の超高速回転も堪能できました。白鳥の群舞はよく見えないけど、それでもOKです。本当に行って良かった公演でした。

大スターのオーラにあてられて、客席はしばらく興奮状態でカーテンコールの拍手も鳴り止みませんでした。初めて観た白鳥がこのステージだった子供はいいですよね〜。いや、よくないのかな、これがスタンダードになってしまうと。まぁ、とにんかく良いものを観せてもらいました。

一昨年の来日公演のときにザハーロワで「ファラオの娘」を観たのですが、友達はそこでかなり惚れ込んでいました。バレエダンサーなら当たり前なのかもしれないけど、頭のてぺんから足の先まで指先まですべてが美しいんですよね・・・。

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シュツットガルト・バレエ団「オネーギン」'08 11/30 [バレエ]

先週の「眠れる森の美女」から始まったシュツットガルト・バレエ団2008年来日公演の東京公演は今日の「オネーギン」が最終日です。あとは大阪でオネーギン、岩国と西宮で眠りの公演があります。(大阪、西宮公演の詳細は→コチラ、岩国公演は→コチラ

オネーギン:フィリップ・バランキエヴィッチ
レンスキー:アレクサンドル・ザイツェフ
ラーリナ夫人:メリンダ・ウィサム
タチヤーナ:マリア・アイシュヴァルト
オリガ:エリザベス・メイソン
乳母:ルドミラ・ボガード
グレーミン公爵:ジェイソン・レイリー

幕が開くと、お家の庭です。
母親、乳母と一緒に縫いものをしていて出来上がったドレスを自分に合わせてはしゃぐ妹オリガと、ドレスに興味を示さずに寝そべって本を読む姉タチヤーナ。この2人の姉妹の性格の違いがわかりますね。
オリガの婚約者レンスキーが友人オネーギンを連れて登場。

タチヤーナとオリガの性格、オリガとレンスキーのかわいいラブラブカップルの明るさと厭世的で退廃的ともいえるオネーギンの暗さの対照的な描き方がみごとです。オネーギンはイヤなヤツだけど、田舎の女の子タチヤーナが恋に落ちてしまうのも納得できる魅力も持ち合わせています。

タチヤーナが自分の寝室でオネーギンに手紙(ラブレター)を書きながら眠ってしまい、夢で鏡の中から現れたオネーギンと踊るパ・ド・ドゥが、唯一この2人よる幸せなパ・ド・ドゥなんですよね。とても情熱的です。目が覚めて幸せな気分でペンを置くタチヤーナなのですが・・・。次の日に手紙を突き返され、目の前で破られてしまうのですよね。
今回もアイシュヴァルトは素晴らしいです。

前回のルグリはもちろん良かったけど、バランキエヴィッチはルグリほど周囲から浮いてしまわず、それでいて物語的には浮いてしまうオネーギンをリアルに演じていたと思います。彼はどんな役でもこなせそうですね。しかも観るたびに良くなっています。

オリガにちょっかいを出して友人レンスキーと決闘することになり、結局は友人を殺してしまうオネーギン。ここで初めて感情をあらわにしますよね。向こうから申し込まれたとはいえ、友人を殺すという取り返しのつかないことをしてしまったのですから。

その後、タチヤーナは素敵な女性になりグレーミン公爵と結婚しています。
今回の公演のグレーミン公爵はレイリーなので、あ、カラボスだ…と思ってしまいました(笑)それほど強烈でした、アレは。

ジョン・クランコ版の第1幕ではオネーギンは35歳くらい、タチヤーナは17歳くらいという設定だそうなので、現実的に考えるとオネーギン的には彼女の想いを受け入れることを考えられないというのはわかる気がします。でも、将来性を見抜けなかったオネーギンがいけないんですよね(笑)
第3幕では10年以上経っているので“ありえなくもない”状況ではありますが、初恋の人に気持ちが揺らぎながらもこれまで積み上げてきた人生の上に現在は違う幸せが存在しているタチヤーナは、やはりオネーギンを拒絶するしかないのだと思います。

この、最後の手紙のパ・ド・ドゥはオネーギンの現在の素直な気持ちとタチヤーナの葛藤が伝わって来る素晴らしい場面ですよね。オネーギンからの手紙を今度は逆に破って部屋を出て行くように命じるタチヤーナ。それでも、やはりオネーギンへの想いはあるわけですから、最後はやはり泣き崩れるのでした。

クランコの作品はストーリーがわかりやすいのに、とてもバレエ的なところが魅力だと思います。もちろん物語の内容を知ったうえで観ているから、というのはありますが、セリフがなくてもスッと入ってきます。

「オネーギン」は楽しめる演目ですね。
イリ・イェリネクは「『オネーギンこそが人生の恋人だった』と心のなかで思いながら残りの人生を生き抜くことを考えると、過ちを犯したのはオネーギンではなくタチヤーナ」と解釈しています。
今回の公演は眠りもオネーギンもメインキャストがすべて違うので、複数回観た人はかなり楽しめたことと思います。それぞれのオーロラ、デジーレ、カラボス、そしてオネーギン、タチヤーナがあるわけですから。特に「オネーギン」については、みんな解釈が違うみたいですよ。

シュツットガルト・バレエ団は飛び抜けたスーパースターはいないけど、全体のレベルはかなり高いです。おそらく何年後かにまたあると思われる次回の来日公演も楽しみにしたいと思います!

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シュツットガルト・バレエ団「眠れる森の美女」'08 11/23 [バレエ]

シュツットガルト・バレエ団の公演が始まりました。初日です。
今日、明日が「眠れる森の美女」、11/28〜11/30が「オネーギン」で、すべて上野の東京文化会館です。公演の詳細はコチラ
祝日の日曜日だからか三連休中だからか、上野駅公園口は異様に混んでいました。

今日のマチネ公演は王子役がフォーゲルだから人気なのかな。
珍しく少し早めに着いたので、グッズでも見ようとグッズ売り場に行ってみると人だかりです。こんなに売り場が混んでいるのは久しぶりに見ました。ポストカードを買っただけでも薄いエコバック風のバッグをくれました。おトクかも。

オーロラ姫:マリア・アイシュバルト
デジレ王子:フリーデマン・フォーゲル
カラボス:ジェイソン・レイリー
リラの精:ミリアム・サイモン
王:ヘルマー・ポーロカット
王妃:メリンダ・ウィサム
カタラビュット:トーマス・ダンヘル
乳母:ブリギット・デハルデ

幕が開いた瞬間「美しい!」と思えます。で統一された衣装にハッとさせられます。装置もステキ。幕ごとに季節を感じさせてくれるんです。

マリシア・ハイデ版「眠れる森の美女」の主役はカラボス。これにつきます(笑)
もともと主役2人の出番が少ない演目だとは思いますが、とにかくカラボス主体でお話が進んでいく感じです。また、このカラボスがイヤなヤツなんだけどカッコイイ! 黒くて長〜〜いマントをひるがえしてやってくる登場シーンがまた(笑)

フォーゲルは髪の毛の分量が多いところが一見モッサリした印象をあたえがちだけど、動けば軽やか。とてもよかったです。踊りもさらに進歩したようで、古典でもこれならOKです。リラの精に主導権を握られているので、本人に深みが足りなくても大丈夫(失礼ですね…)。なんとなく満たされない王子という点ではジークフリードと共通していますが、デジレにはリラの精がついていますから。
カラボス一味につかまってがんじがらめにされたりもしちゃいますが、リラの精の後ろに隠れて何もしないというわけでもなく、どうしたらいいかわからないけど姫を助けるために戦おうとする気概が感じられます(笑)

アイシュバルトは小柄でかわいらしくてオーロラにピッタリでした。かなり高度なテクニックを難なくこなす素晴らしいダンサーだと思いますが、この日はおそらく100%ではなかったのかと。もちろん、悪くはなかったですよ。
ローズアダージオで4人のお婿候補たち1人ずつの手をとりながらのポアント・バランスでは、後半の2人をぶっちぎってそのままキープ。タイミングもあると思うけど、これは最後の王子のところでやってほしかったです。

ハイデ版の眠りは初めて観ましたが、プロローグに出て来る妖精たちも今まで見たものと全然違っているし、3幕のディヴェルティスマンも違います。宝石たちの中に男性がいる、と思ってキャスト表を見ると“アリババ”と書いてあります。アリババかぁ・・・でも、どう見ても「海賊」のアリにしか見えません(笑)踊りも衣装もですよ。

あと、面白いのがお婿候補だった王子たちも一緒に眠りについて、3幕にも登場します。しかも、みんな仲良しになっていて(笑)オーロラとデジレの結婚を祝福していますよ。ストーリーに一貫性をもたせているのかな。
シュツットガルト・バレエ団は小さな役まで全員がレベルが高くて安定していました。眠りという演目自体が出演者が多くて主役の出番が際立って多いわけではないと思いますが、今回の演出は特に誰も突出していないという印象でした。カラボスがお話を支配しているので余計かな。しかも、リラの精の印象も薄いですね。

カラボスのジェイソン・レイリーはすばらしかったです!
友達は“近くにいたら絶対にイヤなヤツだよね。でもこういう人いそう。それがまたイヤ”と言っていました(笑)確かに。招待されなかったのを根に持って娘を殺そうとするわけですからねぇ。最近多い“思い通りにならないと殺しちゃう”犯罪を思い出しました。私が“現実にはリラの精はいないわけだからねー”と言うと、“そう。だから、すぐに囲まれちゃいそう”と、どこまでも想像力豊かな友達なのでした。
ちなみに、カラボスの手下たちはなぜかザンバラ髪の落ち武者風。アイツラに囲まれたら確かにイヤです(笑)

今日のソワレ公演でデジレ王子を演じるフィリップ・バランキエヴィッチは、明日の公演ではカラボスを演るようです。それは面白そうですね〜。

やっぱり眠りは長いですね。休憩とカーテンコール入れたらタップリ3時間半です。飽きたわけじゃないけど、東京バレエ団のスピーディーな演出がちょうどいいくらいなのかも…と思いました。

来週はアイシュバルトでタチヤーナが見られるので楽しみです。アイシュバルトのタチヤーナはピッタリ。頭の中に姿が浮かびます。ん・・・考えたら、それもそのはずでした。シュツットガルト・バレエ団は前回(2005年)の公演でも「オネーギン」を持ってきていますが、そのときにオネーギンはゲストのマニュエル・ルグリでタチヤーナはアイシュバルトでした。素晴らしかったんですよね、それが!
かなり楽しみ!

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